「そうか……」

と、僕は今、納得していた。

やっと真美ちゃんが僕に追い付いて、ドアのとこでぜぇぜぇ言ってる。

ただし、白鳥さんや不知火の双子はついてきてない。

「妙だと思ってたんです、ずっと」

と、僕は言った。

生徒会長――推研所長――大恩寺めもりさんは、だけど、余裕綽々の体で僕を見ている。

深く腰かけて足を、指を組んでいた。

「そもそもおかしかった。なぜ急に、推研と無関係の僕なんかに、アナタの捜索依頼が来るのか。アナタが僕を指名したのか」

「……」

「そして、あれだけのヒントを残しておきながら、失踪そのものは回避していないし、簡単に推理小説研究会に監禁された。いや、監禁されていた、そうでしょう。アナタは抜け出して、ここに来たんだ。最初のヒント、心の目、学校の中心に位置するこの研究室へ」

ふふふ、と大恩寺さんは含み笑い。まるで僕の話を楽しんでいるかのようだ。