僕は焦った。時間がない。

僕らは『う』らない研究会だから、彼らより視察の順番が早いんだ。まごまごはしてられない。

「っ、せめてヒントがあれば……」

「うあー、ですっちゃねー」

地団駄を踏む僕を真似して、真美ちゃんも地団駄。

「せめて、先輩が心の目を使えればいいっちゃですに――!」

「僕に変な能力を求めないでく――」

心の目……?

そういえば、一時限の数学でそんなことを大恩寺さんは言っていたらしい。

キーワードは心の目……心、目……数学的に解釈すると……心は……中心……中心点……なんの……学校、の?

「っ、真美ちゃん!! いや、占い研の〝データバンク〟!!」

「うぁはい!?」

「この学校の中心、上からも下からもど真ん中になるのはどこだい!?」