「そこって、めちゃくちゃ地元じゃん。」 「嘘!?」 「かりん、めんどくさい乗り換えしてるんじゃない? あの電車なら3駅だよ。」 柊くんは駅に入ってきた、いつも私が乗るのとは逆行きの電車を指差した。 私は本当に馬鹿だって思った。 遠くに来たと思い込んでいただけで、実はぐるっと回って近くに戻ってきただけだった。 しかも、そのことに1カ月も気付いていなかった。 3駅隣なんて盲点だ。 近いけど降りる機会なんてないもんなぁ。 道理で街の雰囲気があんまり変わってないと思ったわけだ。