りんごゆき


私は柊くんをぎゅっと強く抱き締め返した。



誰もいない駅のホーム。


私たちの2人きりの最後の時間。



大好き。

大好き。



何度も心の中で未練がましく呟いてしまう。



次に来る電車に乗って柊くんは行ってしまうんだ。

私もこのまま一緒に行ってしまおうか。

何度もそう思った。

2人で別の世界に行けたらいいのに。



落ちてくる雪は、私に柊くんに積もっていく。



柊くんがいるから、全然寒くないよ。