別れの日も出会った日と同じ、雪が降りそうなほど寒い日だった。 駅の明かりが見えてきた。 柊くんのアパートから徒歩20分もかかる最寄り駅。 何回も一緒に歩いた商店街を私たちは無言で歩いていた。 2人でこの道を歩くのはこれが最後だってお互い分かっていた。 私は考えた贈る言葉なんてとっくに忘れちゃっていた。 「ここで大丈夫だよ。」 立ち止まって柊くんは言った。 暗くて顔はよく見えなかった。