りんごゆき


「ほら~泣くなよ~。」



柊くんが私を茶化すように言った。



「かりんはすぐ泣くんだから。」

「柊くんの前で泣いたの初めてだもん。」



私は口を尖らせた。



「かりんよく涙堪えてるだろ?
怒ったり悲しかったり感動した時は泣いていいんだよ。」

「柊くんのせいだからね!」



私がそう言うと、

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。」

柊くんはいつもの柊くんに戻っていた。



「決めた!
『なくならないもの』って唄にしよう。」