大したものだよ。 これ以上のプレゼント有り得ないと思った。 「もったいないよ。 私にこんないい唄もったいない…。」 溢れそうな涙を必死で抑えて私は言った。 「じゃあ、あげない。」 柊くんは意地悪く微笑んだ。 「もし、俺の唄が必要じゃなくなったら、その時は返して。 それまで預かっててよ。」 柊くんは私の頭にぽんっと手を乗せた。 「なんて、俺格好付けすぎか。」 舌を出しながら柊くんが私の頭をぐしゃぐしゃにした。 それだけのことなのに私は涙の止め方が分からなくなってしまった。