「この世になくならないものなんてないんだなと思って。」 柊くんは少し寂しそうに呟いた。 「こんなにかりんと楽しく過ごしてても、いつかなくなっちゃうんだなぁって。 そしたらなんか今が楽しければ楽しいほどせつなくなったんだ。」 あの頃、柊くんは独りで不安を抱えていたのだと思う。 思い出の秘密基地もなくなり、信頼できる友達も遠くに行ってしまってやり切れない気持ちでいっぱいだったのだろう。 「人は生きている限り変わり続けている。 不変のものなんてないと思うんだ。」