「突然押し掛けちゃってごめんなさい。」



私は玄関で靴を履いてペコッと頭を下げた。



「こっちこそごめんな。
悲しませるような結果になっちゃって…。」



顔を上げるとふと玄関の横の台に飾ってある写真が目に入った。



大剛さんと細くて綺麗な女の人が腕を組んで写っていた。

顔が写真の右側に寄っていて、きっと自分たちで撮ったんだろうなと思った。

この人がきっと大剛さんの大切な人だろうなってすぐに気が付いた。



「大剛さん、左手出して?」



大剛さんは不思議な顔をしながら左手を差し出した。

私は大剛さんの左手と自分の左手を合わせた。