りんごゆき


私が縮こまっているのを見て、

「ごめん。」

と謝り柊くんはまた背を向けて座った。



「柊くんは音楽続けたいんでしょ?」



「…音楽は大剛がいなくたって続けられる。」



私は脱ぎかけの靴を脱いでズカズカ柊くんの前まで行った。



「強がらないでよ。」



気が付いたら啖呵切っていた。



「そんな顔して嘘ばっか言わないで。

私が大剛さんにもう1回ちゃんと考えてもらうように説得してくる。」



柊くんが静かに首を振った。



「かりん、ダメだよ。
大剛だっていろいろ…」

「このままの方がダメ!
行ってくる!!」