りんごゆき


私はやり切れない思いでいっぱいだった。



「私たちにできることってないのかな…?」



「この場所がなくなるって事実は…、たぶん変えられない。」



俯きながら柊くんが言った。



「でもさ。
俺らの思い出の中には残しておけるじゃん。

だから、俺らが忘れなければ秘密基地はいつまでもなくならないんだよ。」



顔を上げた柊くんはにこっていつもみたいに笑ってた。



「俺らがここを思い出さなくなった時は、それはここのおかげで1つ強くなれた証拠なんだ。

その時まで覚えといてやろうぜ。」