今年最初の粉雪が、街中を真っ白に染めた。

私の吐く息まで真っ白に染められている。



たくさんのイルミネーションが星空みたいに輝いて。

商店街に並んだお店からは毎年聞き慣れたメロディーが流れている。

何年も変わらない、この街の景色。

ケーキを持った子供たちが、腕を組んだ恋人たちが、私の横を通り過ぎる。





そういえば、

『今年一番の寒さになるでしょう』

って天気予報のおじさん言ってたっけ。



私は家までの道を急いで歩いた。

凍える手を1人握り締めながら。