感想&日記ノート“かかってきやがれ”


 今日の早朝、とある対談番組で宮部みゆき、五木寛之、北方謙三の三氏が対談されていました。

 直木賞や芥川賞の選考委員も、現在は精緻な読み込みをし、それはまるで評論家のようだ、と仰い、

「もっと、感覚や閃きで、良いものは良いと言ってもいいんじゃないかな? 評論的になることで、作品の内容を精査するのもいいが、要は面白いか面白くないかなんだよね。
 確かに、プロの書く作品に矛盾や齟齬が生じるのを看過すべきではないが、新人賞の選考に際しては、要は内容の精密さよりも面白さを優先したいね。
 無論、最低限求められているクオリティをパスしていることは大前提ではあるが……」

 というような内容の発言を皆さんされていました。

 そして、宮部みゆきさんに至っては、

「私はこの作品を推したい! この作品でなくては嫌だ、と退がらないんですよね。この前も我を通し過ぎて、他の選考委員を泣かしちゃいましたしね。
 でもね、自分が推したものが選ばれないとね、悔し過ぎて今日は絶対眠れないだろうって思うんですよね……」

 と語っておられました。
 三者三様に確固たる小説観を持ち、それでいてガチガチの石頭でなく、柔軟な考えを持っておられました。

 その上で、語られる言葉からは今なお熱い情熱が迸るというか。


(続く)