4月17日。


各地で桜が咲き乱れ、そして葉桜へと姿を変えていくこの時期…いつまでも変わらない愛がここには咲いていた。


『2週間ぶりくらいだねレイナ』


ケイゴは歩道橋で、レイナと待ち合わせをしていた。


『うん。会えない間もずっとケイゴの事考えてたから…2週間ぶりって感じしないな』


レイナは笑って言った。


『レイナ21歳の誕生日おめでとう』


ケイゴはそう言って、隠し持っていたクラッカーを突然鳴らした。


『ありがとう。誰かに祝って貰える誕生日なんて…凄く久しぶりだな』


レイナは笑顔で言った。


『今日はレイナのために、僕は魔法使いになるよ。だから何でも願い事言って良いからね』


ケイゴは笑って言った。


『ホントに!?何か嬉しいな。…あれ?ケイゴ、指どうしたの?』


レイナはケイゴの数本の指に巻いてあるバンソウコウを見た。


『あっ、これ?ちょっと…昨日料理してて切っちゃったんだ』


ケイゴは笑って指を隠した。


『大丈夫?』


レイナは心配した。


『大丈夫、大丈夫。それよりレイナ、今日はどこ行きたい?』