『リカー、私たちはずっと友達だからねー』


里菜は走り去るパトカーを見つめながら、大声で叫んだ。


『ねぇ、キース…助けてくれてありがとう』


里菜は隣に立っているキースにお礼を言った。


『うん。たまたま下を歩いてたら里菜の声が聞こえて…見上げて見たら大変な事になってて驚いたよ』


『キースが来てくれなかったら、あたしはこうしてここにいなかったわ…ホントにありがとう』


里菜は笑顔で言った。


『でも里菜…お前そんな手でよく頑張ったな』


キースは里菜の血だらけの手を見た。


『…うん、何よりも大切な友達だから失いたくなかったんだ』


里菜は血だらけの自分の左手を見つめた。


『さあ、里菜。さっさと病院行くぞ…早くケガ治して、リカちゃんにステージに立つ里菜の姿を見せてやれ』


キースは笑顔で言った。


『…うん』


里菜はうなづき、キースと一緒に病院へと向かった。


里菜の手にはこの時の傷が一生残ったが…それと引き換えに友情という名の宝物を失う事はなかった。


そしてこの夜に里菜は、リカの事を思いながら…<Friends>と言う大切な友達の事を歌いあげた曲を作り上げた。