里菜がお店から出て少し歩くと、突然誰かが背中を叩いた。


『里菜じゃん』


里菜が振り返ると一人の茶髪の女性がいた。


『ミ、ミズキ!!』


里菜は驚いた。


『久しぶりじゃん。あたしらがレディースを解散して以来だから…4年ぶりだね』


ミズキは里菜の顔を懐かしそうに見た。


『ミズキ。他のレディースのメンバーは元気にやってるの?』


里菜は尋ねた。


『ええ、みんなあれから真面目に仕事やら恋やら頑張ってるわ』


ミズキは笑った。


『そうなんだ…みんな頑張ってるんだ。ねぇ、ミズキ。リカは?リカは今何してるの?』


里菜は笑顔で尋ねた。


しかしミズキはうつむき、しばらく黙り込んでいた。


『里菜…リカだけにはかかわっちゃダメよ。里菜とリカは1番の親友かも知れないけどさ…』


ミズキは重い口調で言った。


『リカに何かあったの?』


里菜は心配そうに尋ねた。


『リカは今警察に追われてるみたいなの』


『リカが!?どうして?』


『この前、警察があたしの所に来て言ってたけど…リカの奴はドラッグなんかに手を出してるみたいなの。里菜、だからリカにはもう関わっちゃダメよ』


ミズキはそう言って、手をふり里菜の前から立ち去った。