2月3日。


『みんな、良く頑張ったな』


小林誠吾は地方ライブから帰って来た、フレンズのメンバーをスタジオに集めて言った。


『いやー、ホントにどうなるかと思ったよ』


シュンは笑って言った。


『ホントね。でも、楽しかったわ』


里菜は笑みを浮かべた。


『お前たち、2ヶ月後にアルバムを出すぞ』


小林誠吾はメンバーに突然言った。


『えっ?私たちのアルバム出して貰えるんですか?』


レイナは喜んだ。


『ああ。一人3曲…それをノルマに曲作りしろ。話は以上だ…また連絡する』


それだけ言うと、小林誠吾はさっさとスタジオを出て行った。


『一人3曲か…また俺たちの実力を試す気みたいだな』


シュンは人を試す小林誠吾のやり方に、少しひっかかっていた。


『でも一人一人で作れば色んな曲が出来て…バリエーション豊富なアルバムが出来るわ』


里菜は前向きに捉えていた。


話を聞いてから、何故かキースは独りで考え込んでいた。


そんなキースの様子が気になった里菜は、キースに話かけた。


『キース…どうしたの?』


『曲作りか…』


キースはボソッと呟いた。


『そうかー、キースはイギリスで盗作疑惑をかけられて日本に来たんだもんな。でも、あれは疑惑なんだろ!?だから、気にせず自分の曲を作れば良いんだよ』


シュンは笑顔で言った。


『その通りだわ』


里菜も笑顔で言った。