『まだ朝の7時なのに…人集まるのかな』


レイナは車からギターを降ろしながら心配した。


それを聞いたヒロはケイゴにある提案をした。


『レイナ。ちょっと待ってて』


ケイゴはそう言って、ヒロとどこかへ行った。


レイナは打ち合わせを終え、特設ステージに座りギターのチューニングをしていると、ヒロとケイゴがクマとブタの着ぐるみを来て戻ってきた。


『何その格好』


レイナは二人を見て笑った。


『貸衣裳のお店が近くにあったから借りて来たんだ。この格好で今からイベントの宣伝してくるよ』


ケイゴは笑って言った。


『ケイゴ…そのブタさんの格好凄く似合ってるよ』


レイナは笑った。


『ホント良く似合ってるぞケイゴ』


ヒロは大笑いした。


『ヒロまで笑うなよ…。お前がこのブタを無理矢理着せたんだぞ!!』


ケイゴは少しイラッとした。


『レイナちゃんのためだ。怒らないで我慢、我慢』


ヒロはそう言って、ケイゴを連れ宣伝しに行った。


レイナは30分ほどでリハーサルを終え、ステージの裏で椅子に座り休んでいた。


すると、着ぐるみを脱いだケイゴとヒロが帰って来た。


『レイナ。一応宣伝はしたけど…ちゃんと人が来てくれるかは不安だなぁ』


ケイゴはレイナの隣の椅子に座った。


ケイゴが椅子に座るなり、スタッフが手ぶりでケイゴを呼んだ。


ケイゴは立ち上がり、スタッフのトコへ駆け寄った。