三人が東京を出て5時間近くが過ぎた。


『よーし、ついに愛知県突入』


ヒロは喜んだ。


『ヒロ。ちょっとコンビニ寄ってよ。何か買って来るよ』


ケイゴがそう言うと、ヒロは近くのコンビニの駐車場に車を駐車した。


そしてケイゴは一人コンビニへと入って行った。


『ふぅー』


ヒロはひと呼吸ついた。


『レイナちゃん。もうすぐ着くからね』


ヒロは後部座席に座るレイナの方を向いた。


『ヒロ君ホントにありがとう。仕事まで休んで貰って…ゴメンね』


レイナは謝った。


『良いんだよ別に。それにケイゴに頼まれたら断れないしさ』


ヒロは笑顔で言った。


『ケイゴとヒロ君ってホント仲が良いよね』


『ケイゴはさ、どんな事があっても独りで抱え込んじゃって、誰にも迷惑かけたくないからって…独りで悩んで独りで解決しようとするんだよな。
だから、ケイゴが今回俺に頼って来てくれたって事が、凄く嬉しかったんだ。口では親友と言うものの…頼ってくれないからホントに親友なのか、不安になることもあったりでさ…』


ヒロは少し淋しげな表情を見せた。


『ねぇ、ヒロ君。ケイゴはいつもヒロ君の話してるよ。ヒロは女たらしで、調子乗りだけど…裏表ないし、誰よりも僕の事分かってて、1番信頼してる。何よりも一緒にいると楽しいって言ってたよ』


レイナは笑顔で言った。


『ケイゴの奴そんな事を…』


ヒロはレイナに気付かれないように、目に浮かんだ涙をそっと拭いた。