『ちょ、ちょっとケイゴ。行くって…どうやって?』
レイナは不思議そうに尋ねた。
そして、二人が駅の外に出るとヒロが車に乗って待っていた。
『ヒロ君!!』
レイナは驚いた。
『さあ、レイナ乗って。レイナの話聞いてさ、ヒロに頼んだんだ。僕も一緒に名古屋行くよ。バイトも休み貰えたしさ』
ケイゴは笑顔で言った。
『ケイゴ…ありがとう』
レイナは目に涙を浮かべお礼を言った。
『あ〜あ、ケイゴがレイナちゃんを泣かしてるよ〜』
ヒロはケイゴをおちょくった。
『うるさいよ、ヒロ』
ケイゴはレイナを後部座席に乗せ、ケイゴも続いて後部座席に乗った。
そしてヒロは名古屋へと車を走らせた。
『ヒロ君。ヒロ君は仕事大丈夫なの?』
『大丈夫、大丈夫。明日は風邪ひいた事にして休むからさ』
ヒロは笑って言った。
『でもまさか、レイナちゃんが今話題になってるフレンズのヴォーカルだなんてなー。すげービックリしたよ』
ヒロはバックミラーに映るレイナを見た。
『それに…俺はさっきケイゴから話を聞くまで、ケイゴとレイナちゃんはさ、パチンコ屋でのナンパから仲良くなったと思ってたしさ』
ヒロは笑った。
『だから僕はナンパじゃないって何度も言ったんだけど…』
ケイゴはボソッと呟いた。
3人はそんな風に他愛もない会話をしながら、名古屋へとひたすら向かった。


