『ああ。雑誌に取り上げられれば、ブレイクも時間の問題だろう。それに、フレンズの歌を聴いたエキストラがファンになったかも知れないしな』


小林誠吾は自信ありげに言った。


しかしメンバーは、自分たちの歌を聴きたくて集まった観客たちでない事に、正直落胆していた。


そんなメンバーを見たレイナが口を開いた。


『みんな。私たちの曲を聴きたくて集まった人は居なかったとしても、でも何か楽しかったよね?理由はどうあれ、みんなに歌を聴いて貰えたってだけで…私は凄く満足だな。だってさ、まずは聴いて貰わなきゃ何も始まらないもん』


レイナは明るく笑顔で言った。


メンバーはそんなレイナを見てふと元気が湧いて来た。


『そ、そうだよな。何よりも楽しかったもんな』


シュンがそう言うと、里菜もキースも笑顔でうなづいた。


『よーし、これからは俺たちの…フレンズの歌を聴きたくてたまらない奴らばっかりのファンを増やして行こうぜ』


シュンは目を輝かして言った。


『ふん。単純な奴らだな』


フレンズのそんな様子を見た小林誠吾は、少し微笑ましく笑った。