ライブが終わり、荷物をまとめたフレンズは控え室を出た。


そしてメンバーはライブ会場の入口で立ち止まった。


『ここでみんなともお別れだな』


シュンはメンバーそれぞれの顔をじっと見た。


『これからあたしたちは、それぞれ別の新たな道へと進むけど、いつだって“仲間”だからね』


里菜は涙をこらえて言った。


『みんな元気でな』


キースは笑顔で言った。


メンバーはそれぞれ右手を差し出し、エールを交わした。


そしてメンバーはそれぞれの道へと旅だった。


シュンはギタリストとしてアメリカのビックバンドに引き抜かれ、里菜は親友のリカと一緒に喫茶店を営み、キースはイギリスに帰り音楽プロデューサーとして歩き出したのだった。




『ケイゴ…』


レイナはメンバーと別れた後、ケイゴのお墓をお参りした。


そして歩道橋を歩いていると突然背後から声がした。


『また泣いてるのか?泣いちゃダメだよ』


レイナはその言葉に反応し、後ろを振り向いた。


すると、小さな男の子が小さな女の子の涙を拭いていた。


『楓は泣き虫だなー』


そう言って小さな男の子は小さな女の子の手を引っ張り去って行った。


それを見たレイナはニコッと微笑んだ。


『さて、明日からまた頑張ろうっと』


レイナはそう言って歩き出した。


レイナはソロとして、これからも人々に幸せを届けるために歌い続けていく―。


ケイゴがくれた光の指す場所で―。




   THE END。