『ケイゴが書いた歌詞のこの歌を今になって聴いてみると…あの時からケイゴにはこうなる事が分かってたのかもな。レイナ…早く立ち直れよ』


シュンはそう言って部屋を出て行った。


『じゃあ、あたしも行くわ。それからレイナ、あなたこの4ヶ月間一度もポスト開けてないでしょ?こんなに郵便が届いてるわよ』


里菜はたくさんの郵便をテーブルに置き部屋を出て行った。


レイナは独り降りしきる雨を見つめていた。


『ケイゴ…』


レイナは涙を零し、泣き濡れた。


そしてレイナは泣き疲れ、いつの間にか眠っていた。




レイナ…レイナ…。


また泣いてるのか?泣いちゃダメだよ。


僕はいつだってレイナの、君の傍にいるんだから。


さあ、もう泣くのは止めようよ。


僕はレイナの笑顔が大好きなんだからさ。



夢の中のケイゴのその言葉を聞き、レイナはふと目を覚ました。


『ケイゴ…』


レイナは起き上がり、シュンが置いて行ったMDを手にとり、そのMDをコンポにセットし鳴らした。


ステレオからは練習中のケイゴの声が聞こえて来て、そしてケイゴが“君のために”を歌い出した。


『君のために 君の事ずっと 守ってあげるよ星になっても…♪』


レイナはケイゴのその歌を聴いて、また涙を流した。