8月25日。


『サキちゃ〜ん、元気にしてる?』


レイナはそう言って、病室のドアを開けた。


『あっ、レイナさん。ホントにまた来てくれたんだ。嬉しいな』


ベットに寝転ぶサキは大喜びで言った。


『今日はサキちゃんにプレゼントがあるんだ』


レイナはそう言うなり、フレンズの1stアルバムをサキに渡した。


『これがこの前言ってたレイナさんのバンドのCDなんだ。CDかけてよ』


サキは笑顔で言った。


レイナは自分たちのCDを流した。


『レイナさん凄く歌上手だね。レイナさんは夢が叶って良いなー…羨ましいな』


サキは羨ましがった。


『私がここまで来れたのは…ある人が傍にいてくれたお陰なんだ。その人に出会わなかったら、私はきっとここまで来れなかったと思う』


レイナは少し寂しげに言った。


『その人は、レイナさんにとって大切な人なの?』


『うん。かけがえのない大切な人だよ。でも今はその人、遠くで夢を追いかけてるんだ』


『じゃあ、離れ離れなんだ。寂しくないの?』


『寂しいよ。…でも、またすぐに会えると思うから大丈夫』


レイナはニコッと微笑んだ。


『レイナさんとその人の事色々聞かせてよ』


サキは笑顔で言った。