『初めましてレイナです』


レイナはサキの母親に挨拶をした。


『サキの話相手してもらってありがとうね。リンゴでも切るから食べてって』


母親は笑顔で言った。


『あっ、いえ。私もう帰りますので…』


『えー!!レイナさんもう帰っちゃうの?』


サキは寂しそうに言った。


『ごめんね。でもまた遊びに来るから』


レイナは笑顔で言った。


『絶対だよー約束だからね』


『うん、約束』


レイナはそう言って、病室から出て行った。


レイナが病室を出て少し歩くと、サキの母親が追いかけて来た。


『レイナさん。今日はホントにサキの相手してもらって、ありがとうございます』


母親は頭を下げた。


『いえいえ、私の方もサキちゃんと話して楽しかったですし』


レイナは笑顔で言った。


『あの子は生まれた頃から病院暮らしなんで、あの子にとってレイナさんが初めての友達なんです。だからまた、是非遊びに来てやって下さいね』


母親はそう言って、病室へと帰って行った。


『私が初めての友達か…サキちゃんまた来るね』


レイナはそう呟き、帰って行った。