病棟から出て病院の庭を歩いていると、レイナは車椅子に座って絵を描く一人の少女を見つけた。


『絵上手だね』


レイナは少女の絵を見て言った。


『ありがとう』


少女は明るい声で言った。


『私はレイナって言うんだけど、君の名前は?いくつ?』


レイナは笑顔で言った。


『私はサキだよ。7才なんだ』


少女は絵を描きながら言った。


『サキちゃんか。サキちゃんは向日葵が好きなの?』


レイナはサキが描いている絵を見ながら言った。


『うん。向日葵は1番好きな花なんだ。何か見てるとすごくあったかくて…。レイナさん、向日葵の花言葉って知ってますか?』


サキは明るい声で言った。


『えっ、えーと…わからない』



『向日葵の花言葉は“光輝”なんだ。私もいつか光り輝けると良いなって思う』


サキは笑顔で言った。


『“光輝”か…すごく良い花言葉だね。サキちゃんって夢はあるの?』


『私の夢は、世界中を旅して世界中の色んな景色を絵にする事なの』


サキは誇らしげに言った。


『すごい。大きな夢だねサキちゃん』


レイナは笑顔で言った。


『それに私…生まれた頃から病気でずっと病院暮らしだから…色んな景色が見たいって余計に思うんだ』


サキは少し元気なく言った。