そしてホスト風の男は、左手の人差し指をピンとあげた。


『1週間…1週間だけ時間をやる。1週間後にまた俺はこの時間にこの場所に来る。その時にもう一度、君の歌を聴かせて貰おうか…』


そして、ホスト風の男はレイナに自分の名刺だけを渡して、さっさと行ってしまった。


『ミュージックブルーレコード…音楽プロデューサー…小林誠吾!!』


レイナは名刺を見て驚いた。


『レイナ!!』


そんなレイナのもとにケイゴが駆け付けて来た。


『レイナ、今日もここで歌ってたんだね。うん?レイナ!?どうしたの…?』


名刺を見て驚いているレイナを、ケイゴは不思議に思った。


『ケイゴ…これ…』


レイナはケイゴにさっき貰った名刺を見せた。


『小林誠吾…え!?小林誠吾って…あの超有名な音楽プロデューサーの小林誠吾?』


ケイゴも名刺を手に驚いた。


『うん。1週間後にまたここに聴きに来るって言われて…』


レイナは戸惑いながら答えた。


『凄い…凄いじゃんレイナ。小林誠吾に目をつけられたなんて、凄いよレイナ!!』


ケイゴは自分の事のように喜んだ。