『石川誠也さんは小林さんの弟みたいですけど、あの人は私たちフレンズをただの金ヅルにしか思っていません。世の中お金だけじゃありません』


レイナはきっぱり言った。


『それがどうした?これはビジネスだ。アーティストはレコード会社からしたらただの商品だ』


小林誠吾は冷たく言い放った。


その小林誠吾のあまりにも冷たい言葉にメンバーはうつむいた。


『必要とされる事を素直に喜ぶんだな』


小林誠吾は席を立ち、会計を済まし喫茶店を出て行った。


『オレンジミュージックか…二人ともどうする?』


シュンは元気なく言った。


『…確かにオレンジミュージックに行けば今までみたいに歌う事は出来るけど…でも…』


レイナは考え込んだ。


『オレンジミュージックに行けば、儲けるためだけに俺らは使われるだろうな』


シュンは考えながら言った。


『…お金があっても、人の心を救う事は…出来ないわよね?』


里菜は元気なく言った。


『…うん』


レイナはうなづいた。


『なあ、里菜。キースの方はどうなんだ?』


シュンは心配して言った。


『あれ以来部屋に閉じこもったきりで、インターホン鳴らしても返事もなしだわ』


里菜も心配そうに言った。