7月7日。


年に一度、織り姫と彦星が出会う日。


織り姫と彦星の二人が流す涙(この日降る雨)は『催涙雨』と呼ばれている。



『ケイゴ!!じゃあ、20時に空港で待ってるわ。飛行機に乗り遅れないように、早めに来なさいよ』


キサラギミサトは早退するケイゴに言った。


『はい。わかりました』


ケイゴはそう言って、お店を出た。


『今17時で…18時にレイナと待ち合わせだから…急いで荷物を取りに帰らなきゃ』


ケイゴは急いで帰った。


ケイゴは部屋に帰るなり、昨夜まとめた荷物をもう一度確認した。


『財布OK、パスポートOK…よし、準備はバッチリだ。…この部屋ともお別れだな…。何かそう思うと部屋を引き払うのが寂しいな』


ケイゴは部屋を寂しそうに見回した。


『あっ、もう行かなきゃ』

ケイゴは時計を見るなり荷物を持って、急いで部屋を出た。


ケイゴはレイナの待つ公園へとやって来た。


『レイナ、待たせてごめんね』


ケイゴはベンチに座るレイナに言った。


『ううん、良いよ。今日でケイゴともしばらくお別れか…』


レイナは寂しそうな顔をした。


『レイナ、永遠に会えなくなる訳じゃないんだからさ』


『ケイゴはいつ帰って来るの?』


『う〜ん、1年…2年後くらいになるかなー』


ケイゴは考え込みながら言った。