『初めまして。君たちのプロデューサーの小林誠吾は私の兄だ』


石川誠也のその言葉にメンバーは驚いた。


『…小林さんの弟?でも苗字が違う…』


レイナは驚きながら言った。


『兄は離婚した母の苗字で…私は父親の苗字だからな』


石川誠也は説明した。


『確かに…小林さんと似てるかも…』


シュンは石川誠也の顔をじっと見た。


『さっきの質問にまだ答えてなかったな。何の用かと言えばだな…どうだ君たち、小林誠吾の元を離れうちに移籍しないか?』


石川誠也は突然移籍話を持ち掛けた。


『…はあ?何言ってるのよ。何で移籍しなきゃならないのよ』


里菜は呆れ返った。


『兄に君たちは宝の持ち腐れだ。私なら君たちを…フレンズを使ってもっともっと儲ける自信がある』


石川誠也は自信満々に言った。


『私たちは別にお金持ちになりたい訳じゃないですし、小林さんを裏切る気もありません。それに私たちは自分たちの力で頑張りますから…』


レイナはきっぱりと答えた。


『…そうか、残念だ。だが私はいつでも君たちフレンズを歓迎するから、気が変わったら連絡をくれ』


石川誠也はそう言って、スタジオを去って行った。


『何だったんだ一体…まあ、いいっか。さーて、早く楽屋帰って弁当食おうぜ』


シュンが言うと、メンバーは楽屋へと戻って行った。


石川誠也とフレンズは、こののち関わりを持つ事になるのだった。