6月24日。


この日フレンズはTVの音楽番組の歌収録をしていた。


『何か最終講演あたりから…レイナの歌声が前以上に生き生きし出したよな?』


シュンは収録が終わった途端に、少し後ろに座るキースに話し掛けた。


『何か迷いが失くなったって感じだな…確かに』


『何を二人でコソコソ話してるのよ!!あたしも仲間に入れてよ?』


里菜が話をしているシュンとキースの会話に割って入った。


『男同士の話しに女はいれてやらないよーだ』


シュンは憎たらしい感じで言った。


『何それー…なら、いいわよ!!レイナ、楽屋に先に戻ってあの二人のお弁当も食べちゃいましょ』


里菜はシュンに聞こえるようにワザと大声で言った。


『えっ!?それは困る…』


シュンは本気で困った。


『君たちがフレンズか?』


突然一人の、短髪でヒゲを生やした男が収録スタジオにやってきた。


『誰だ?』


シュンは里菜に向かって尋た。


『私はこういう者だ』


男は名刺をシュンに渡した。


『オレンジミュージック…石川誠也!!オレンジミュージックって言ったら、ミュージックブルーレコードと張り合ってる…』


シュン名刺を読み上げ驚いた。


『…そのライバル会社さんがあたしたちに何か?』


里菜は不思議そうに言った。