6月13日。


『久しぶりだなケイゴ』


シュンはギターを弾くのを止め、レイナと一緒にコンサート会場にやって来たケイゴに言った。


『お久しぶりです、シュンさん』


ケイゴはニコッと笑った。


『ケイゴ。今からリハーサル始まるから客席で見てて』


レイナは客席を指差して言った。


ケイゴは客席の前から4列目のど真ん中に座った。


『へぇ〜、やっぱみんな凄いな…フレンズ凄いな』


ケイゴは目を輝かしながら、フレンズのリハーサルを見ていた。


『みんな凄いですよね…僕もフレンズに憧れて、最近少しずつだけどギター練習してるんです』


若いスタッフの一人がケイゴの隣の席に座って言った。


『そうなんですか?…ギターって難しいですよね?』


ケイゴは若いスタッフに尋ねた。


『難しいんですよね。ほら、こんなにギターだこが出来てしまって…』


若いスタッフは手をケイゴに見せた。


『頑張って練習してるんですね』


ケイゴはニコッと笑った。


『でもなかなか上達しなくて』


若いスタッフは苦笑いを浮かべた。


『そっか…でも大丈夫ですよ。努力はきっと裏切りませんから』


ケイゴはニコッと微笑んだ。


『ありがとうございます。頑張ります』


そう言って、若いスタッフは席を立ち仕事に戻った。