5月7日。


『ミサトさん、こういうのはどうですか?』


お店のバックルームで椅子に座っていたケイゴは、キサラギミサトに自分で考えたデザイン画を見せた。


『う〜ん…なかなか面白いんじゃないかしら。やっぱりケイゴには才能あるわ…あたしの直感に狂いはなかったわね』


キサラギミサトはケイゴのデザイン画を見て言った。


『そ、そうですか!?…そういえばミサトさんって、日本以外にもお店持ってるんですよね?』


『ええ。東京とパリとロンドンとニューヨークとミラノと上海にあるわね』


『そんなにあるんですか…凄いですね。海外のお店には戻らなくて良いんですか?』


『そうね、来月あたり本店のパリに戻るつもりでいるわ』


『パリって言うと…フランスですか。遠いですね』


『そうだケイゴ。その時あなたも一緒に来なさい』


キサラギミサトは閃いた。


『僕もですか?』


ケイゴは驚いた。


『このまま日本でデザインを勉強するより、フランスで勉強した方があなたのためにもなるわ。本気でインテリアデザイナー目指すなら…こんなチャンスないわよ』


『う〜ん…』


ケイゴは悩んでいた。