『ヒロ…お前って生徒思いなんだな。そんなに生徒の心配してさ…良い先生やってじゃん』


ケイゴはそう言って、ヒロと一緒に話していた。


その頃レイナは、来週から始まるフレンズのコンサートツアーの打ち合わせを終え、家へと帰宅途中だった。


レイナが歩道橋を駆け上がると、いかにも今風な感じの一人の女子高生が手すりにもたれ下を見ていた。


レイナは不審に思い、しばらくその女子高生を見ていたら、女子高生は手すりに足をかけた。


『ダメー!!』


レイナはそう言って、女子高生のもとに駆け寄り手すりから引きずり落ろした。


『ダメだよ、自殺なんかダメだよ』


レイナは声をあらげて言った。


『クスッ。別に自殺なんてしませんよ、死ぬの恐いし』


女子高生は笑って言った。


『で、でも…手すりに』


『高い所から街を見回したかっただけ…』


女子高生は呟いた。


『でも、理由はどうあれ危ないよ』


レイナは注意した。


『お姉さん、あたしイヴって言います。ねぇ、お姉さん…今からカラオケでも行きませんか?』


イヴはレイナを誘った。


『えっ?でも私は…』


『行きましょうよ。早く、早く』


イヴはレイナの手を引っ張り、カラオケへと向かった。