お気に入りの黄色のマフラーを首にぐるぐる巻いて 小さい体をもっと小さくして。 「……泰ちゃん!」 俺に気付いた蜜葉が、パァッと笑顔になって小さくしていた体を伸ばした。 「…なんでこんなところにいるんだよ?こんなに寒いのに、受験生が風邪でも引いたら…」 本当はわかってるのに。 俺があんなことを言って、家を飛び出したから 優しい蜜葉は心配して… だけど、こんな俺を待っていてくれた蜜葉が やっぱり愛しくて愛しくて 本当に愛しくて 持ってはいけない“期待”を持ってしまいそうになる。