「……泰輔?」 ベンチに座って何分たっただろう。 後ろから声をかけられ、振り向くとそこには 「…恭?」 「おーっ、やっぱり今年も来てたんだな」 蜜葉の隣に住んでいる恭だった。 持っていた紙袋をブンブン振り回しながら走ってくる恭。 こいつは、蜜葉とは同級生で、一葉ちゃんと蜜葉の幼なじみ。 俺も小さい頃は、こっちにくる度に恭の家に遊びに行ったりしていた。 「泰輔。お前なんでこんなところにいんだよ? しかもそんな格好で。寒くない?」 「……寒い」