男が弾丸を放った瞬間、 誰もが目を見開いた。 「貴様・・・!!」 血だらけになった狐の仮面が 宙に舞う。 「ッ・・・」 一切穢れのない 彼女の頬に、片目に ベトついた血が 飛び散る。 感じるぬくもりと 微かに聞こえる、呻き声。 俺の獲物を奪われるなんて、 そんなの 絶対に許さない―― 『盗、み屋・・・』 彼は、なんて愚かな人だろうか。