「お前らに惨めってモンを与えさせてやるよ」
男はクスクスと笑いをやめなかった。
「たった三人の餓鬼共が、 思い通りに生きていけると思うなよ! ズタズタにされていく絶望を 味あわせてやる!!」
そんな彼に 彼女は鼻で笑った。
思い通りに生きる?
絶望を味あわせる?
『バカなことを言うのはやめなよ』
僕らはすでに 歪んだ人生になったんだ。
はじめて人を殺した瞬間に はじめて人を憎んだ瞬間に、僕らの生きる道に“正しい”なんてものは消え去った。
愛してくれた者を喪ったトキ、
愛していたはずの者を 殺してしまったトキ、
愛されてると感じていた者に 捨てられたトキ、
僕らはすでに 絶望の淵に落とされた。
『お前らに 何がわかるんだよ!』
一気にルゥのスピードが上がり、
「ッ・・・ガハッ」
わき腹と胸元 ふたつの場所に深く剣を突き刺す。
僕らにはもう 頼れるものはお互いしかいない。


