母さんを見つめれば、
キュッと唇を少し噛み締め 目線を床にやっている。
「黙っていないで答えろ!!」
次第に荒くなっていく口調。
奴の荒い声が響き、そして静まり返る。
母さんはゆっくりと口を開け、
「もう、決心したの。あなたに何を言われようが、私はナオを連れて出て行くわ」
キリッとした強い眼差しで、はっきりと言った。
見る見るうちに怒り狂っていく奴の顔。
強い力で握り締めているせいで、腕が少し震えている。
「そんな事・・・」
彼の怒りはもう 限界を達している――
「許すわけないだろう!!」
その言葉と共に、母さんは床に倒れた。
勢いよく奴に目の付近を殴られた母さんは、倒れたまま目を押さえ蹲(ウズクマ)る。
「母さん!」
蹲る母に近寄ろうとしたナオを、奴は許さなかった。
まだ背の小さいナオを 奴は物凄い力で蹴った。
唸りながら、お腹を押さえ痛みに耐えるナオ。
俺は誓ったんだ
母さんは俺が絶対
守ってやるんだって


