広いこの屋敷の廊下を、緊張しながら歩き続けた。
そして数メートル先に見えてきた大きなドア。
いつしか長い廊下も、広いホールに変わっていた。
もうすぐで、解放される――・・・。
そう思った矢先、
「何をしている」
どすの利いた声が、ホールに響く。
『そんな・・・』
居るはずのない奴が、何故今 目の前に居る?
一歩一歩、確実に俺と母さんに近づいてくる。
「何をしているんだと訊いているんだ」
チラッと奴は、母さんの手に持つ荷物を見るなり、表情を歪める。
「お前、まさか俺から逃げるつもりか?」
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