―――――――
――・・・・
「あんな愛人の餓鬼なんて捨ててしまえ!」
ガシャン! と激しく物が割れる音が少年の耳に響く。
息を荒くしながら怒り狂った表情の父親。
涙を流しているのか小さく震え、ただただ首を横に振り続ける母親の後姿。
ドアの隙間から見える光景に、
俺は唇を噛み締めている。
母の態度が気にくわなかった父が、勢いよく彼女を殴る。
床に倒れる母を奴は見下ろし、チッと舌打ちをしたかと思えば、再び奴は近くに置いてあった花瓶を床に、母のすぐ横に叩き落とした。
飛び散った破片で切れてしまった母の手を気に留めず
奴はドアを荒っぽく開け、今までの光景を見ていた幼き少年がいる事に気付く。
『・・・・』
幼い少年とは思えないほど、ナオはギロッと奴・・・義理の父を睨みつける。
「何だその表情? 俺に文句でもあんのか?!」
少年の胸倉を掴みあげ、一方的に言葉を放つ。
そして何も答えないナオにまた腹を立て、少年を床に突き落とした。
去って行く奴を見ず、
少年は更に力強く唇を噛み締める。


