レイは遠くの方から
こっちに向ってくるクラルをチラッと見、
「あの女にも言っておけ」
と冷たくシークに言った。
その言葉に、
シークは少し眉を寄せる。
「そうやって同じことを繰り返すのか」
レイは冷たい眼差しでジッとシークを見たが、
何も言わず、そのまま去って行く。
「お・・」
納得の出来ないシークは
レイを呼び止めようとしたが、
その言葉も空(ムナ)しくクラルによって掻き消される。
「もぉ!こんな所にいた。探したんだから!」
彼女の怒りの声にもこたえず、
少し不機嫌そうな瞳のまま、レイの後姿を見つめていた。
「 ?あの人知り合い?」
当然、
彼等の顔を知らないクラルは分かるわけない。
去って行く赤髪の青年が、
“首狩り”と呼ばれる者の一人だとは。
「あぁ、ちょっとな・・」
なんの想いも篭っていない言葉を呟く。
レイの姿は徐々に小さくなっていく。
「俺たちも帰ろう」
そう言っては、
クラルの返事も聞かずにそそくさ来た道を戻っていく。
ただ一人、
クラルだけが何も状況を掴めないままだった。


