『ねぇ、ドレスを血で真っ赤に染めたらもっと美しくなると思わない?』
そう言いながらルゥは白いドレスを着た女の所に近づいていく。
恐ろしくて、ただ震えるだけで動けという命令をきかない体。
それでも必死に女は動かそうとした。
『ばいばい』
そのサヨナラの言葉と共に、女の胸元に剣が刺さる。
虚ろな瞳でドレスに広がっていく赤い染みを見つめる女。
そしてその瞳のまま、
女の顔は転げ落ちる。
「き、キャ―ーー!!!」
一人の女性の叫び声に、
みんな糸が切れたように次々騒ぎ始める。
大きなドアの前に逃げる人々。
いくらドアを開けようとしても、ビクともしない。
もっとも恐ろしい殺し屋が現れただけでも怖いのに、
逃げようとしてもドアが開かず、閉じ込められた事で逃げ場を失ってさらに恐ろしさが増し、気が狂っていく。
「いいねぇ、この狂った叫び声」
「もっとその声を聞きてぇのなら、さっさと目的のヤツを殺せ」
「そうするよ。もう殺したくて体がうずうずする」
そう言って二人はそれぞれ目的の人物のところに襲い掛かる。
みるみるうちに広がっていく血の海。
用のない人々は気絶していくか、叫び狂い逃げ回るのどちら。
『あと何人?』
「これで最後」
レイはそう言って男の首を切り落とす。
彼等の不気味な狐の仮面は、
いたるところに血が飛び散っていてさらに恐ろしさを増していた。
「なーに?もう終わり?どうせならここに居る奴等全員殺そうよ」
満足しきれないナオがそう言い終わった時、
ガンッ!と物凄い音を立てて扉が壊れる。
開いた扉に向って逃げる人々。
そんな中、二人の人物がドアからこちらに向ってくる。
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