少女は夜空に浮かぶ満月を無情に見つめる。 サワッ、と緩い風が少女の茶色の髪を靡(ナビ)かせる。 「おい、はやく行こーぜ」 赤い髪の青年が面倒くさそうに言った。 赤髪の青年に続くように今度は 金髪の少年が楽しそうな声で言う。 「そうだよ。早く殺しに行こ」 『・・・わかってる』 少女は目線を彼等に戻すと深くフードをかぶる。 ・・ 『ボクもさっさと終らせたいし』 少女がそう言うと残りの二人も深くフードをかぶった。 そして地面をトンッ、と跳ねては一瞬にして消えた。 .