暗闇にぽつんと残された、私とハル。 夜の闇を満月がほんの少しだけ照らした。 しばらく続いた沈黙を破ったのは、ハルだった。 「今夜、俺ん家泊まっていけよ。もう終電ないだろ?俺も送っていける足ないし。」 すぐ近くだから、と言って彼は歩き出す。 ネオン街から漏れるわずかな光に、左腕をかざして時計を見ると、夜の12時を回っていた。 戸惑いながらも、私は大人しく彼についていくしかなかった。