彼女は私の目の前まで来ると、顔を上げた。 外灯の明かりで、ようやく彼女の表情をとらえることが出来たと同時に、私は驚きを隠せなかった。 なぜなら、彼女は涙を流していたから。 どうしたの、ハルと何かあったの、そう尋ねようとした時。 私の右頬に、痛みが走った。 そして、彼女が放った一言。 「この裏切り者!!」