「桃。私がハルに振られた時ね、ハル、言ってたんだ。俺は桃が好きだって。あいつは相手のことばっか考えて、自分のことを大事にしないから、俺が守ってやりたいって……」 咲が、私の背中をさすりながら言った。 その言葉にまた、涙を流した。 自分がしてきたことをこんなに後悔したことなんか、今までになかった。 その夜は、涙が枯れるまで泣いた。