ようやく見えた家。 明かりは点いていなかった。 また、家には誰もいない。 ふと、家の前にうっすらと人影が見えた。 その影は、霞がかかったようにぼんやりしていた。 こんな時間に、誰だろう。 時刻は、夜の11時を回っている。 頑張って目を凝らして見てみても、外灯がないせいで、誰だか分からない。 すぐ近くまで、近づいてみる。 濡れた瞳に映ったその人は………