そんな風に聞いてくるレンの顔が子犬みたいで、思わず『可愛い』なんて思ってしまう。 「好きだよ」 私がそう言うと、レンは少し笑った。 その笑顔に、なぜか胸が痛む。 そして、レンは再び私に背を向け、ひらひらと手を振りながら、歩き出した。 私は、その背中に『ごめんね』と『ありがとう』を心の中で繰り返しながら、見えなくなるまで見送った。