梅原は、自分が指示したコンビニの前で、自転車にまたがり、雑誌を見ながら待っていた。


「あれ?待った?」

「いや、昨日から籠に入れっぱなしだったの忘れてて、今読んでた。」

「…大丈夫か、おまえ?」

「うっし、行くか!」

「え!どこに?」

「俺の先輩ん家。中学ん時から可愛がってもらってんだ。」

「なんで?」

「卒業アルバムとか見たくね?」

「え…見たい…けど…どーゆー先輩?」

「バレー部の。大丈夫!いい人だから!」

「おまえの言ういい人ってさぁ、基準が分かんねーし。」

「じゃあ、やめとく?」

「行きます!」



梅原の言う通り、
その先輩は、とても良い人だった。


その先輩は、小学校時代と中学時代の両方の卒業アルバムを見せてくれた。


まずは、小学校の方の表紙を開けた。


そこには、懐かしい校舎の写真が、ページ一面を飾っていた。


「うわっ!こんな綺麗だったっけ?」

「昔の使い回しだろ。」

「あはは、先生!これ気取ってね?」

「まだ居んのかな?」

「結婚したってよ。」

「へー。そりゃ良かった。」

「いーから、早くみっこちゃん見ろって!何組?」


梅原がはやしたてた。